今までの震災で分かること
阪神・淡路大震災や新潟県中越地震では多くの人々の命が奪われました。震災の被害で特徴的なのが自宅で無くなる方が多いことです。阪神・淡路大震災では全体の8割以上の方が自宅で亡くなっているといわれています。これは発生時間が早朝であったため、ほとんどの方が自宅で就寝中に地震が発生、住宅の崩壊、家具の転倒などが原因で命を落としています。その多くは窒息死や頭蓋骨骨折、脳挫傷と言った頭部の損傷などです。
震災時に倒壊し、凶器になった家屋の多くは老朽化した住宅やアパートだと言われており、倒壊、崩壊した住居をみると、1971年以前に建築された建物ではおよそ35%、1972年~81年でおよそ12%、1982年以降でおよそ8%と言われており、建築年で被害状況が大きく変わっており、古い住宅ほど被害が大きかったことが分かります。倒壊など大破した住宅の特徴は古い住居は1,2階とも崩れ全壊した住居が多く、新しい住宅は1階部分が2階に押しつぶされることが多いことが分かっています。これらの住宅の多くは、
・構造部材である壁の配置が良くなかった。
・壁の量が少なかった。
・強度を担う壁のほぞ抜けが起きてしまった。
・瓦葺で屋根の重量が重かった。
・柱などの腐朽が見られた。
などの特徴があることが分かっています。
これらのことから被害の大きい住居は、重量の重い屋根を支える構造に問題があったことがはっきりしてきました。逆に被害が小さく済んだ住居は、
・1981年以降の建築
・壁の量、配置のバランスが良かった
・ツーバイフォー住宅、プレハブ住宅
・構造計算が必要になる3階建て住宅
となっています。
これらのことから、大きな特徴として1981年前後で被害に大きく差が出ていることです。この1981年は建築基準法が大改正された年で、これ以降木造住宅の耐震基準が大きく強化されました。この改正は1978年に発生した、宮城県沖地震の教訓から行われたものです。改正前後で旧耐震基準、新耐震基準と呼んでいます。